言語化→再現性→他分野への展開
スポーツでも勉強でも、うまく行った事例の再現性を高めるために「言語化」が重要と言われています。言語化できたものは、他の分野にも広げていくことも可能です。
勉強における言語化のイメージ
- 言語化:数学のテスト結果が前回良かったのは、普段から予習する時間を確保したからだ
- 再現性:数学の予習を次のテストに向けて実施したところ、次のテストも良い結果が取れた
- 横展開:数学で効果が出たので、英語でも同じように予習の習慣をつけてみよう
プロとアマチュアの違い
スポーツでは瞬時の判断を要求されることが多いため、 考えずとも体を動かすせるようになるのがベストです。ただそれは、センス・感覚という曖昧なものではなく、繰り返し思考・行動して言語化することで、正確に認識でき、それを習慣化すると、無意識下で思考・行動できるようになります。結果として、最大のパフォーマンスを発揮することが可能です。
ここで、うまく行った経験を曖昧に捉えたままにしていると、うまく行く時とそうでない時が当然何度も起きてしまい、パフォーマンスの波が荒いプレイヤーになってしまいます。第一線で活躍するプロのスポーツ選手と呼ばれる人たちは、安定した最大パフォーマンスを出すことを求められるため、特にこういったプロセスが重要になってきます。
ブルーロックがなぜ面白いのか
ブルーロックというサッカー漫画が人気ですが、そこに出てくる選手たちは、試合中に信じられないほど思考しています。主人公の「潔 世一(いさぎ よいち)」は、パズルのピースとして言語化し、一旦パズルを完成(成功体験を形に)させます。それを次のチャンスで試し、ダメならまた別のピースを嵌めていくという事を何度も実践して成長していきます。
これは、まぐれで点数が入る状況は何度も引き起こせないため、勝負の時に「高確率で」点が決められるよう、再現性を高めるための行動を取っているわけです。
正に新時代、現代において突き抜けるための手法がサッカーを題材に描かれています。スポーツマンガにありがちな、チームワークや気合・根性で勝利していくスタイルとは、大きく違った視点での物語となっています。
勉強のやり方を「言語化」する
Aくんは、理解した問題の類題を5回以上解くと、テストでスムーズに解答できる
少し極端な例ではありますが、今後Aくんはテスト前に類題を解く時間を必ず確保することで、安定して得点出来る可能性を上げられると想定できます。また、実際に必要なのは5回なのか、もっと必要なのかは、繰り返しの中で精度を上げていくことも可能です。
とは言え、ここまでシンプルに言語化できるのは稀なため、言語化を上手にするためにはトレーニングが必要なのも事実です。
言語化をトレーニングする方法
- アウトプット:感じたこと、考えたこと、学んだことを文字に書き起こす
- 一般化:経験を抽象化し、具体例を用いて、誰にでもわかるように説明する
- 語彙の拡張:適切な例を出せるように新しいことに触れ、知識の絶対量を増やす
少し分かりにくいので、こちらも具体例で考えていきましょう。
- 覚えたはずの英単語がテストに出たけど、テスト本番でスペルが思い出せなかった。
- 暗記には「覚える+書く」練習が必要かもしれない。社会のテストでも同じミスがあった気がする。
- 記憶にはインプットとアウトプットが3:7のバランスが良いらしいから試してみよう。
一般的に「勉強のやり方」と呼ばれるものはこうやって作り出されていきます。ブラッシュアップしていくことで、より自分にとって効果のある「勉強のやり方」を発見できればベストです。みなさんの周りで結果を出している人は、自然とこの行動を取っているはずです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると自然にできるようになりますので、ぜひ試してみてください。